電子書籍では味わえない、紙の本の読み方。出会いから別れ、そして再会まで

あらゆるメディアのデジタル化が進んでいることは事実です。本にしたってCDにしたってそう。CDはすでにデジタルじゃないかというつっこみはごもっともですが、ここではCDという実物の媒体(メディア)はアナログなので、それがなくなってインターネット上でやり取りされるというのはやっぱりデジタル化なんです。

今回は、紙の本を読むとはどういうことかについてぼくの実感を書きます。

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本との出会い方

本は、内容が読めればOKという類いのものではないということです。マニュアルなど情報提供のみに焦点を合わせた本なら別ですが、基本的に本というものにはもっとメタな情報が含まれている。装丁やデザインはもちろん、電子書籍では絶対に感じることのできない本の大きさ、厚み、重さ、質感、手触り。ぼくが書店でその本と最初に出会ったとき、手に取ってみようと思わせたのは中身の文章ではありませんでした。タイトルやそれを含むデザインにまず心を動かされ、そして書棚から本を引き抜く。そして本の全体重が自分の手にあずけられる。心地よい重さを受け止める。手全体で本の大きさを感じる。そうしてやっと、ページをめくるのです。

ページをめくって中身の文章を読みはじめてからも、本の重さや質感というメタな情報は手を通してつねに身体に入ってきています。無意識に。このメタ情報と中身のよさがマッチしたとき、ぼくはこの本に共感するのだと思います。文章ではなく本に、です。

本の読み方

うまい具合に自分の波長と合う本に出会えて、その本を買ってきました。まず本を開きます。そして読む。ページをめくる。「開く」「めくる」という動作も、電子書籍では絶対に味わえません。これは重要なことだとぼくは思います。閉じた本と開いた本がぼくに与える印象は全然違うんです。こう、うまく説明するのは難しいのですが、閉じた本は居住まいを正して座っている感じ、開いた本はもう少しくだけて談笑しているような感じを受けます。この印象の違いによって、読み手であるぼくの気持ちも切り替わります。

本との再会のしかた

リアルな本は、読み終えたあと本棚へとしまわれることが多いです。お別れですね。そしてしばらくはその存在を忘れられてしまうかもしれません。そのままどこかへ行ってしまう本もありますが、運がよければ何年後、何十年後かに再会する。少なからず年季の入った顔をしてぼくのまえに現れる。そのときぼくはその本と再会しつつ、その本を読んでいたころの自分とも再会するのです。そして互いに久闊を叙す。電子書籍でこういうことは起こるのでしょうか。読書履歴を見ればわかるのでしょうけど、再会という感じからはほど遠い気がします。

電子書籍は?

本に対してこんなに愛着を持っているぼくは電子書籍を読むのだろうか。たぶん読みます。そのうちKindleを買おうと思っています。だって便利なんだもん。安いしたくさん読めるしかさばらないし。いずれ紙の本を読まなくなるときがくるのかもしれません。おじいちゃんが若いころは紙でできた本があってね… と孫に話しているかもしれません。

それはそれでいいと思っています。いま現在、本が好きという気持ちを持っていることが幸せなのです。紙の本だってそうそうなくならないでしょ。ぼくみたいな思いのひと、けっこういる気がしますよ。ね?

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